やっと、去年のMITAKA Next Selection最終作のレポです。
もう、そろそろ今年のMNSが始まりそうですけどね(駄目)。
“CHAiroiPLIN踊る戯曲3『三文オペラ』~2015年10月24日(土)公演キャスト【ソワレ】” ジョナサン・ジェルマイヤー・ピーチャム/宮崎 吐夢 シーリア・ピーチャム/ジョディ ポリー・ピーチャム /エリザベス・マリー メッキース /スズキ 拓朗 ブラウン /NIWA ルーシー・ブラウン /田中 美甫 酒場のジェニー /今井 夢子 <盗賊たち> 枝垂れ柳のウォルター/増田 ゆーこ コインのマサイアス /本山 三火 鍵指のジェーコブ /ぎたろー 鋸のロバート /池田 仁徳 恥知らずのジミー /鳥越 勇作 がっつきイード /荒牧 大道 <乞食たち> <娼婦たち> フィルチ /新部 聖子 ヴァイゲル /中井 沙織 乞食 /岩坪 成美 スーキー・トードリー/荒木 亜矢子 田舎の乞食 /安部 萌 ヴィクセン /渡部 彩萌 病気の乞食 /伊藤 直美 ドリー /小林 らら 真面目な乞食 /岩見 和典 ベティ― /土屋 杏文 カンボジアの乞食/大橋 昌広 モリー /三木 万侑加 もみの乞食 /肥沼 勇人 年取った娼婦 /大塚 由祈子 猫好きな乞食 /志々目 遥菜 もうひとりの娼婦 /鷹野 梨恵子 小学の乞食 /清水 美紗都 前科の乞食 /下西 春奈 <警官> 太った乞食 /芹川 直子 スミス/柏木 俊彦 絵かきの乞食 /東 ゆうこ 小さな乞食 /福井 花 明るい乞食 /松隈 加奈子 流しの演歌師/清水 ゆり 死刑執行人(演奏) トランペット /鈴木 光介 アルトサックス/日高 和子 クラリネット /砂川 佳代子 アコーディオン/高橋 牧 ヴォーカル /柴田 暦 映像出演/朝比奈 尚行
で、肝心の内容は
面白かった!
最初はちょっと面食らいましたが、徐々に引き込まれました。
では、早速レポへ~
★全体の感想★
舞台はフラットだったかな?ロンドンの貧民街が舞台と言うことで、セットは雑多な感じ。大きな家のセットがありますが、シルバニアファミリーの家のように半分の断面図みたいになっているので中がちゃんと見えます(説明下手)。
大きなセットは大体可動式なので、そのセットが行き来するだけでも迫力がありますね。
映像なども効果的に使われます。
キャスト陣の衣装はお菓子の袋やら、ビニール?やらで作られていて乞食っぽい感じが出ておりましたが、カラフルなので却ってオシャレでした(笑)。
原作はベルトルト・ブレヒトの戯曲で、クルト・ヴァイルが作曲を手がけている音楽劇。
私は初見でしたが(駄目)、幾度となく舞台化しているので、演劇好きだったら観た事がある方は多いのではないでしょうか。
大元は、ジョン・ゲイの『ベガーズ・オペラ』を改変したものらしいですね。
これは、遠い昔に東宝版を観た事があります。確かに内容も登場人物の名前も一緒だった!( ̄□ ̄;)←今更気付く
私は初見でしたが(駄目)、幾度となく舞台化しているので、演劇好きだったら観た事がある方は多いのではないでしょうか。
大元は、ジョン・ゲイの『ベガーズ・オペラ』を改変したものらしいですね。
これは、遠い昔に東宝版を観た事があります。確かに内容も登場人物の名前も一緒だった!( ̄□ ̄;)←今更気付く
以前、新国立劇場でやった同演目のプロモーションVTRを観た事がありますが、普通にやれば普通の音楽劇だと思うのですよね。
今回の舞台は“踊る戯曲”と銘打たれている通り、歌はもとよりダンスが満載。
いや、冒頭は正直デイヴィッド・リンチの映画を観ているみたいな支離滅裂な悪夢感に襲われて、良い意味でちょっと怖かったんですけどね。
シュールながらも、ちゃんとした(?)エンターテインメントでした。
今回の舞台は“踊る戯曲”と銘打たれている通り、歌はもとよりダンスが満載。
いや、冒頭は正直デイヴィッド・リンチの映画を観ているみたいな支離滅裂な悪夢感に襲われて、良い意味でちょっと怖かったんですけどね。
シュールながらも、ちゃんとした(?)エンターテインメントでした。
楽屋落ちみたいな演出は紙一重というか、奇抜な演出や衣装も含めて、全体を通して苦手だと思う方も多いのではないかなと思います。
私も、決して好みのテイストではなかったのですが(すみません)、テンポの良い話運びやパワフルなダンス、大人数のパワーに圧倒されるように、あっという間に最後まで持っていかれた感じでした。
狂言回し役が、物語の区切りごとにアイキャッチ的にサブタイトルを言うのも面白い演出だったかと。
ラストの踊るメッキーを残しつつ、撤収が始まるところなんかは、ちょっと『PIPIN』を思い出しました。
私も、決して好みのテイストではなかったのですが(すみません)、テンポの良い話運びやパワフルなダンス、大人数のパワーに圧倒されるように、あっという間に最後まで持っていかれた感じでした。
狂言回し役が、物語の区切りごとにアイキャッチ的にサブタイトルを言うのも面白い演出だったかと。
ラストの踊るメッキーを残しつつ、撤収が始まるところなんかは、ちょっと『PIPIN』を思い出しました。
音楽劇という事で、歌唱シーンもありますが、中でも有名なのが『マック・ザ・ナイフ』こと『メッキー・メッサーのモリタート』。
以前、雪組のショーでだいもんサン(望海風斗)が歌ってたな(歌劇脳)。
こちらは、テンポ速めの現代っぽいアレンジになっていて聴きやすく、耳に残りました。
あとは、ルーシーとポリーの不協和音的なデュエット曲『嫉妬のデュエット』が良かったです。
因みに、不協和音というのは下手だからでなく、演出としてそう聴こえるようにしているという事ですよ~。
このシーンは家のセット等もダイナミックに動いていて、楽しいシーン(というのは語弊があるかもしれませんが)になっていました。
以前、雪組のショーでだいもんサン(望海風斗)が歌ってたな(歌劇脳)。
こちらは、テンポ速めの現代っぽいアレンジになっていて聴きやすく、耳に残りました。
あとは、ルーシーとポリーの不協和音的なデュエット曲『嫉妬のデュエット』が良かったです。
因みに、不協和音というのは下手だからでなく、演出としてそう聴こえるようにしているという事ですよ~。
このシーンは家のセット等もダイナミックに動いていて、楽しいシーン(というのは語弊があるかもしれませんが)になっていました。
最終的には、死刑を言い渡された殺人鬼のメッキーが突然女王の恩赦で助かる~という結末。
「何だこの、デウス・エクス・マキナ的なラストは」
と思ったのですが、風刺の意図があるんですよね。
こう、ハッピーエンド主義者に喧嘩売ったデヴィッド・フィンチャー監督の『ゲーム』に相通ずるものを感じます(違う?)。
「何だこの、デウス・エクス・マキナ的なラストは」
と思ったのですが、風刺の意図があるんですよね。
こう、ハッピーエンド主義者に喧嘩売ったデヴィッド・フィンチャー監督の『ゲーム』に相通ずるものを感じます(違う?)。
初めて観る『三文オペラ』が本作だったのは、何か間違っていたような気もしますが(笑)、暗そうな話を上手くエンターテインメントに昇華していたので楽しめました。
いずれ、スタンダードな演出のものも観てみたいですが、物足りなく感じるかもしれませんな( ̄∀ ̄)
いずれ、スタンダードな演出のものも観てみたいですが、物足りなく感じるかもしれませんな( ̄∀ ̄)
では、お次はキャストさん感想へ↓
印象に残った方々を軽めに
印象に残った方々を軽めに
★キャストさんの感想★
名前の序列的には下の方ですが、実質は主役のメッキース役のスズキ拓朗サン。メッキースって、ドスのメッキースとか、メッキー・メッサーとかマック・ザ・ナイフとか、匕首マックとか、呼び方色々ですよね( ̄∀ ̄)
それはともかく、この演目は彼のダンスありきの内容だと思います。
とにかく、身体能力が凄い!細長い体型で、もう骨の概念とかないんじゃないかというぐらい身体が動く動く(;゚Д゚)スゲェ!
笑顔のシリアルキラーという感じで、常に笑顔で掴み処のないキャラなのがまた怖さを引き立てていて◎。
ピエロ的な怖さがありますな。モテる人物像かどうかは果てしなく謎(笑)。
彼のソロダンスはとにかく圧巻で、演出に好き嫌いはあれど、彼の身体能力を観ているだけでも料金の価値があります。
ピーチャム役の宮崎吐夢サンは、小劇場観る人にとっては一番馴染みのある方じゃないですかね。大人計画の方ですね。
素っぽい喋り方で笑いをとるところとか、如何にも大人計画っぽい感じでクスッとさせてくれます。
素っぽい喋り方で笑いをとるところとか、如何にも大人計画っぽい感じでクスッとさせてくれます。
その妻のジーリア役のジョディさんは、ぽっちゃり体型で女子プロレスラーっぽい迫力(褒め言葉です)。
『ベガーズ・オペラ』では、この役に当たるミセス・ピーチャムをやってたのはモリクミさんなので、体型に関しては共通項ですかね(そこ?)。
『ベガーズ・オペラ』では、この役に当たるミセス・ピーチャムをやってたのはモリクミさんなので、体型に関しては共通項ですかね(そこ?)。
ポリー役のエリザベス・マリーさんは、ピーチャム達の娘で、メッキ―が一目惚れした女の子。
今話題のベッキーちゃんの従兄弟だそうで、後で知ってビックリしました(当時はまだ不倫発覚の前でしたが…)。
一目惚れも納得の美少女ですが、身体能力も高く、メッキ―、ルーシーとの踊り合いシーンは非常に見応えがありました。
歌もお上手。
今話題のベッキーちゃんの従兄弟だそうで、後で知ってビックリしました(当時はまだ不倫発覚の前でしたが…)。
一目惚れも納得の美少女ですが、身体能力も高く、メッキ―、ルーシーとの踊り合いシーンは非常に見応えがありました。
歌もお上手。
ルーシー役の田中美甫サンは、ポリーとのメッキー取り合いが見所。
登場の時から高速のシェネ移動に度胆を抜かれました。お人形みたいな貼りついた笑顔でシェネをする姿は本当におもちゃの人形みたいな正確な動きで素晴らしい。
上記の通り、メッキーの牢屋での3人の踊り合いが目を見張る速さと身体能力で驚きでした。
彼女も歌がお上手で、『嫉妬のデュエット』の計算された不協和音デュエットは耳に残りました。
登場の時から高速のシェネ移動に度胆を抜かれました。お人形みたいな貼りついた笑顔でシェネをする姿は本当におもちゃの人形みたいな正確な動きで素晴らしい。
上記の通り、メッキーの牢屋での3人の踊り合いが目を見張る速さと身体能力で驚きでした。
彼女も歌がお上手で、『嫉妬のデュエット』の計算された不協和音デュエットは耳に残りました。
流しの演歌師役の清水ゆりサンは、アコーディオンを演奏し歌いつつ、狂言回しとして舞台上に常に存在しています。スタンダードナンバーのモリタートはメッキーではなく彼女が歌います。
歌もとてもお上手で、私はオリジナルのものより今回のアレンジや歌い方の方がポップスっぽくて好きでした( ̄∀ ̄)
台詞も歌詞も明瞭で狂言回しとしては最適。
ダンスもされるようなのですが、今回は演奏と歌だけだったので今度はダンサーさんとしても観てみたいですね。
歌もとてもお上手で、私はオリジナルのものより今回のアレンジや歌い方の方がポップスっぽくて好きでした( ̄∀ ̄)
台詞も歌詞も明瞭で狂言回しとしては最適。
ダンスもされるようなのですが、今回は演奏と歌だけだったので今度はダンサーさんとしても観てみたいですね。
あとは、
以前、ぬいぐるみハンターさんの舞台で観た事があった鍵指のジェーコブ役のぎたろーサンが体型の割に動きがチャキチャキしてて良かったです。
彼以下、盗賊グループは白塗り個性的なメイク&唐草模様の全身タイツなどの衣装で楽しいです( ̄∀ ̄)
以前、ぬいぐるみハンターさんの舞台で観た事があった鍵指のジェーコブ役のぎたろーサンが体型の割に動きがチャキチャキしてて良かったです。
彼以下、盗賊グループは白塗り個性的なメイク&唐草模様の全身タイツなどの衣装で楽しいです( ̄∀ ̄)
反対に乞食たちは泥塗りメイクなので判別しやすいですな(笑)。
めちゃくちゃ軽めですがこんなところで。
とにかく主要3人のダンス、特にスズキさんの身体能力は素晴らしく、とても満足でした。
小劇場のキャパと値段でこのクオリティのものが観られるのは嬉しいですね。
MNSはこういう出逢いがあるから楽しいのですよね( ̄∀ ̄)
小劇場のキャパと値段でこのクオリティのものが観られるのは嬉しいですね。
MNSはこういう出逢いがあるから楽しいのですよね( ̄∀ ̄)
もうそろそろ、次のMNSが始まるだろうと思いますが、今年もまた全ての演目が観られたらなぁと思っております。
とはいえ、どうなるかは判りませんが、1年のうちで小劇場が確実に観られる貴重な機会ですからね。
とはいえ、どうなるかは判りませんが、1年のうちで小劇場が確実に観られる貴重な機会ですからね。
では、お付き合い頂いた方がいましたらどうもでした!