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消耗の2本立て~『星逢一夜/La Esmeralda ラ・エスメラルダ』 by宝塚歌劇団・雪組・1~5回目観劇・前半戦

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いよいよ時間経ちまくりですが……。
やっと雪組公演のレポが完成しました(汗)。
るろ剣の前に終わって良かった……く(´□`;)

“『星逢一夜/La Esmeralda ラ エスメラルダ』
~2015年9月8日(火)、9日(水)、16日(水)、30日(水)、10月7日(水)公演キャスト【マチネ&ソワレ】”

天野 晴興(紀之介)/早霧 せいな    久世 正行  /奏乃 はると
泉         /咲妃 みゆ     細川 慶勝  /月城 かなと
源太        /望海 風斗     井上 重之  /朝風 れい
徳川 吉宗     /英真 なおき    鈴虫 膳右衛門/香綾 しずる
貴姫        /大湖 せしる    美和、あおさぎ/早花 まこ
猪飼 秋定     /彩凪 翔      浩      /梨花 ますみ
ちょび康(康吉)  /彩風 咲奈     天野 照興  /久城 あす
氷太        /鳳翔 大      汀      /沙月 愛奈
泰三        /蓮城 まこと    汐太(青年) /永久輝 せあ
湧         /透水 さらさ    雨吉     /真那 春人
涼         /有沙 瞳      澪      /妃華 ゆきの
清         /星乃 あんり

★その他の皆様★
千風 カレン、此花 いの莉、透真 かずき、雛月 乙葉、央雅 光希、桃花 ひな、笙乃 茅桜、煌羽 レオ、杏野 このみ、悠斗 イリヤ、愛 すみれ、桜路 薫、天月 翼、花瑛 ちほ、白峰 ゆり、和城 るな、妃桜 ほのり、橘 幸、真地 佑果、蒼井 美樹、華蓮 エミリ、彩月 つくし、沙羅 アンナ、叶 ゆうり、水月 牧、水沙 瑠流、真條 まから、鳳華 はるな、夢乃花 舞、星南 のぞみ、叶海 世奈、彩波 けいと、瀬南海 はや、陽向 春輝、諏訪 さき、月華 雪乃、彩 みちる、野々花 ひまり、璃央 じゅん、羽織 夕夏、希良々 うみ、星加 梨杏、眞ノ宮 るい、桜庭 舞、ゆめ 真音、汐聖 風美、碧月 れん、縣 千、日和 春磨、優美 せりな、琴羽 りり、美華 もなみ、麻斗 海伶、朝澄 希、望月 篤乃 	 
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江戸中期、徳川吉宗の時代。九州の三日月藩藩主の次男坊・天野紀之介は、天体観測が大好きな自由な少年だった。ある日、星観の櫓を作ろうと悪戦苦闘していたところ、蛍村の子供達と出逢い仲良くなる。
中でも、勝気な少女・と、その幼馴染の源太と仲良くなった紀之介は、毎晩のように星を眺めていた。
しかし、江戸藩邸に住む紀之介の兄が急逝し、彼が替わりに江戸に行く事になってしまう。
泉への想いを告げられぬまま旅立つ紀之介。
名を晴興と改めた彼は卓越した天体の知識と個性を買われ、徳川吉宗の御用取次に任命されるが、それが晴興の運命を大きく変えていくのだった……。
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やって来たのは東京宝塚劇場
前回のルパンは4回だったので、今回は最多観劇ですね。5回観て来ました( ̄∀ ̄)

座席は、
1回目2階10列56番上手側、2回目1階20列41番センター、3回目2階8列25番下手側、4回目1階22列39番センター、5回目2階8列55番上手側。
とりあえず全方面カバーしましたかね。

で、今回の演目ですが

めちゃくちゃ良かった(ノД`)・゜・。

もう色んなところで言われておりますが本当に泣けます。

5回全部パーフェクトで泣きました(泣きすぎ)。

いや、むしろ観るごとに泣くタイミングが早くなり……もはや冒頭の群舞から泣く(まだ何も始まってませんけど)ような状態でした。
とても良い演目だったと思います。

一転、ショーはラテン。齋藤サンっぽい色んな事が起こり過ぎて覚えていられない感じのショーでした(どんな?)。
振れ幅が大きすぎて、観る方も演じる方も消耗が激しかったであろう組み合わせでした。

では、レポへ~


★『星逢一夜』全体の感想★

セットは2幕モノの割にはしっかりしていたかなと。
一番目立っていたのは、主人公達が作ったやぐらのセットですかね。
この場所は物語の中でも重要な役割を果たすので何度か出てきます。しかし、子供の力で1日であのやぐらってできるのかな……というのは若干のツッコミどころでしたが(すみません・汗)。

星がタイトルにあるように、ラストは星を模したLEDの星空がパーッと広がるのが美しくて良かったです。

冒頭の群舞はかなり見所。後の物語を凝縮した内容となっており、また一部の振付は劇中にリプライズとして効果的に使われます。
開演アナウンスをバックに、暗闇の中でキャスト陣が手に持った枝のLEDが蛍のように灯っていきます。
トップの舞の後、群舞に発展。
最初の晴興と星逢の男A(源太)の踊り合いは後に決闘をする2人を暗示していて、晴興が泉に扇を渡すところは2人が離れ離れになる際に、彼が小太刀を渡すシーンを暗示。
この舞が物語を凝縮したものであるだろう事は初回観劇でも大体予想がつくんですが、細かい振付まではさすがに覚えていられなかったので、2回目以降の観劇からこの群舞の面白さがより深まりました。
これが物語の全てを表しているので、前述の通り初っ端から泣けてしまうのは先を知っているからこそなんですよね。
泣かせる意図があるかは判りませんが、2回目以降も楽しく観られる演出で良かったです。
また、晴興を銀橋近くまで導く星逢の女が、彼の妻となる貴姫役というのも隙のないところ。
タイトルナンバーである『星逢一夜』のインストゥメンタルがドラマチックに使われているのも◎。
この群舞は2階から観ると実に壮観です。

件の舞のリプライズは、主に三角関係を暗示する振付部分で、一旦離れ離れになった晴興が再び泉と源太と再会する青年期で挿入されます。
ここも、それぞれの想いが伝わる振付になっているので思わずウルッときます。

で、内容は、小さな村で育った藩主の次男坊である主人公と、農民の娘であるヒロインと幼馴染の少年を軸に、各々の青春や恋愛、そして成長した彼らに迫る時代の波(?)……等が描かれます。
劇中に出て来る享保の改革は実際にあったことですが、主人公達は架空の人物で、三日月藩蛍村の地名も架空。
名前のチョイスがファンタジーでロマンチックですな( ̄∀ ̄)
一応、九州地方の話みたいなので、トップ2人の出身地とも関連していますね。

物語は、少年期・青年期・壮年期と判り易く進んでいきます。
視覚的にも、少年期の3人は模様がついた着物、青年期は青や紫などの濃い寒色で統一、壮年期は茶色っぽい枯れた色合いと徐々に変化していきます。
特に、青年期の色合いは寒色にも関わらず非常に鮮やかで美しく、心身ともに一番輝いていたであろう青春時代を印象付けます。
ポスターやチラシを見るに、イメージカラーはって感じですもんね。
この鮮やかさがあるからこそ、壮年期の枯れた色合いが生きてくるんですよね。

私は、宝塚に詳しいワケではないですが、でもこんなにがっつり農民とか一揆とかにスポットが当たってる内容って珍しいのではないのかな?と。
同じような事をしていても、フランス革命の「シトワイヤン行こう!」は洋装という事もあるし絵になるかもしれませんが、一揆って明らかに華やかさはないですもんね。
特に後半は華やかさの欠片もない衣装になるので、ザ・タカラヅカな演目とは違うなと思います。

でも、前述の通り5回観劇パーフェクトで泣いたぐらい、演目としては力があります。
内容だけ読むと、よくある三角関係ものだと思うし、男の片方が身分違い、もう片方がいつも傍にいた幼馴染、ヒロインは勝気な娘って、

韓国ドラマか少女漫画の世界

という図式ですよね( ̄∀ ̄)
でも、その王道を正に上手くやったのがこの演目。
結局のところ、一揆とか享保の改革の部分を上手く入れたのが、内容をただの少女漫画にしなかった一番の勝因だったのかもしれません。
あと、星はずっと変わらないのに、人間達はどんどん変わっていく~というコントラストを見せたのも、物語のランクを上げていたのではないかなと思います。
その辺りも含め、2幕モノではないのに上手く織り込んだなと思います。

今回の脚本と演出は上田久美子サン。大劇場デビュー作ですね。
彼女の作品は、『月雲の皇子』『翼ある人々』を観劇済みですが、三角関係好きですよね(笑)。
何となく三角関係の中に格差や身分差みたいのがあるのもパターンなような。
後半の男同士の対決も『月雲の皇子』を彷彿とさせたので、三角関係の末の悲恋とか対決とかが好きなんですかね。
ちょっとパターンが固定されすぎな気もしますが、2番手がはっきりしている組なら三角関係展開はオイシイところかもしれません。

その他、大きかったのはキャスト陣の好演。
主要3名の三角関係部分がとても上手くいっていて、演技の応酬も◎。
これは今の雪組だからできたのだなと感じさせます。
脇役のキャスト陣も個性豊かで物語を支えていました。
特に冒頭の子供時代シーンは全員とても可愛くて見所の一つです( ̄∀ ̄)

宝塚はよくも悪くもお金のかかった学芸会的なところがあって、こう色んなところを妥協して観ている部分がありますが(すみません)、今回に関しては演目としてのクオリティがとても高く、キャストも上手くそれに応えていたので、とても満足のいく公演でした。
あ、いや、ミュージカルとして観るには歌唱力が……ってところはあるんですけどね(オイ)。

ラストは、子供時代のシーンで幕を閉じ、ひと泣きさせて頂きました。
この、劇中で見せなかった部分をラストシーンで補完させる手法って、去年の『わたしを離さないで』でも使われていましたが、まんまと泣いちゃうんですよね~。
あ、あと韓国映画の『友へ/チング』なんかでも使われていましたな( ̄∀ ̄)

雪組好きを公言しているので、大分エコヒイキに聞こえてしまうかもなんですが、いち観劇好きとして満足のいく公演だったよ~というのは一応主張しておきたいなと(何のアピール?)。
和物だけど小難しい話じゃなかったのも、頭の悪い人間目線からポイント高いです。
あと、ムラの時から泣けるという評判は聞きまくっていたので

そんな簡単に泣いてたまるかよ(フフン)

という、ひねくれた気持ちで観たにも関わらず、以下略……となってしまった事も併せてご報告しておきます(せんでいい)。

ルパンがお披露目ってどうよと思った新生雪組でしたが、2作目にして、和物の雪組、芝居の雪組を印象付ける演目に当たって良かったなと思います( ̄∀ ̄)


では、お次はキャストさん感想へ↓

天野晴興(紀之介)●早霧せいなサン
冒頭の舞が何気に注目どころでしたが、案外良かったので嬉しい誤算。
最近はOSK観劇が増えている事もあり、日舞系はどうしても比べてしまう自分がおりまして……(でも、日舞の事はよく判っていない)。
勿論、OSKと宝塚では楽しみ方が全く違うのですが。
でも、ちぎちゃんはなかなか端正で◎。
扇使いもあまり不慣れさを感じなかったのが良かったです。

物語は少年期からスタート。
端正だったちぎちゃんが一気におバカな男の子になっていて笑えました(褒め言葉)。
こういうヤンチャな役は上手ですよね。
舞台上を走り回っていましたが手加減なしの走りっぷり( ̄∀ ̄)
表情も豊かで◎。
ヤンチャだけど、育ちの良さが感じられるのも良いですね。

他の村の子供に水を奪われた時、何人もの子供達を相手取って暴れますが、本当に結構強そう(笑)。
結局やられてしまいますが、その後、泉の手を取って全力で銀橋を走る紀之介の足の速さに何気にビックリ( ̄∀ ̄)←そこ?
楽日が近づくにつれ、スピードがダウンしていってちょっと心配でしたが、ここは個人的に割と楽しみにしとりました。

江戸城では、場違い感満載でしたが、ハキハキ、ズバッとお偉いサン方に意見する紀之介は実に気持ちが良かったです。
彼の物言いの面白さに客席からはクスクス笑いが零れておりました(^^ゞ

晴興となった青年期。
少年期のおバカっぽさから一転、御用取次の役割を得た彼は精悍な若者に。
青年期の姿は、正に冒頭で端正な舞を披露していた時の衣装とヅラなんですが、これが非常にカッコイイんですよね。
若様感満載( ̄∀ ̄)
青い着物も素敵。
美しくなった初恋の人・泉と再会した時の演出がドラマチックで良かったです。

壮年期、青天姿に。
夢いっぱいだった若者が別人のように無感情な表情になっていて切ない(ノД`)・゜・。
少年期~壮年期までの演じ分けも非常に良かったです。
ユウミちゃん(咲妃)との組み合わせも良かった。
少年期、自分の身分がバレ、泉に罵られますが、その後のフンッと強がっている表情が可愛らしくて良かったです。
別れのシーンは特に印象的。
やぐらの上にいる泉に自分の小太刀を投げて渡すシーンは泣かせました。
ここ、5回のうち4回は成功していましたが、1回落としてしまったシーンがあって「あぁ……」と情けない声を出してもう一回渡し直すシーンは失敗ではあったけど微笑ましかった。
会場も温かい(?)笑い声で包まれておりました。
このシーンは、日によって泣いている時もあって、思わず貰い泣き。

青年期の再会シーンでは、成長して美しくなった泉を前に微妙な空気感があってハニカミどころ。
冒頭の群舞のリプライズは同じ振り付けにも関わらず、感情の流れがあるからか、また違った雰囲気に見えました。
自分は貴姫との結婚も決まっているし、泣く泣く泉を源太に譲るのですが、3人の気持ちになってみると実に切なくて、ここでまたウルッときてしまいます(泣きっぱなし)。

壮年期でまた再会する2人ですが、すっかり大人になってしまった会話が切ない。
源太が死に、村人達の命を救う替わりに自ら罰を受ける事を望む晴興。
やぐらの上で最後に語り合う2人がまた泣かせるのですよ。
逃げる事を進める泉に晴興は「付いて来てくれるか?」と問いますが、泉は言葉に詰まります。
既に彼女には守らなければいけない家庭があり、子供達がいて……。
「冗談だ」と茶化して笑う晴興ですが、勿論冗談じゃないのは全人類が承知(壮大)。
笑っているのが余計に切なくて、最後の最後で号泣。
このシーンは、日によってちぎちゃんは泣いている事もあったのでやはり貰いなki……(以下略)

三角関係の話という事で、だいもんサン(望海)との組み合わせも気になりどころでしたが、ここも良いです。
最初は仲が良かった2人も壮年期には立場の違いもあり対立する事に。
少年期から2人が争うという事は特にありませんでしたが、一揆に決着をつける為に男同士の一騎討ちになります(シャレではありません)。
これは、一揆だけの事ではなくて、泉とプライド巡った男の闘いでもあるのだなと思いました。
背中合わせに星を見上げる2人のシルエットはすっかり互いの立場が変わってしまった事を浮き彫りにしていて非常に切ない。
結局、晴興が勝ちますが、長年自分の想いや意志を押し殺して生きてきた反動か、疲れきっているのが分かりました。
その後の泉に言う

「私にはもう行きたい所なんてないんだよ」

の一言が、彼の全てを集約しているようで本当に辛かったです。
あんなに、星が見られる場所に行きたいと願っていた少年がこんな悲しい事を言う大人になってしまうなんて……。
あまりにも残酷すぎる(涙)。

今回の舞台、相当消耗が激しかっただろうなと思います。
楽日が近づくにつれて、疲れてきているなというのが分かりました(汗)。
こちらはメンタルの消耗で、ショーは体力の消耗という感じでしたが、本当によくやるなぁと(褒め言葉)。
歌はともかく(オイ)、ちぎちゃんの芝居心も改めて楽しめましたし、良い演目に当たって良かったです。


泉●咲妃みゆサン
ちぎちゃんは日によって泣いたり泣かなかったりでしたが、ユウミちゃんは私が観た日は毎回、少女期の『星探しの唄』のシーンと、ラストの晴興との別れのシーンでは確実に泣いておりました。
トップ2人は特に毎回の熱演に感動できました。
ユウミちゃんの事はちぎちゃんのところでも結構書いてしまいましたが、一応順を追って……。

少女期はかなりお転婆で気が強いです。
最初は、源太の事が好きだったのかもしれないな~と思いますが、ちょっと変わり者の紀之介の方に気持ちが傾いていきます。

星探しの唄』の後、よろける泉を紀之介が支え、「あっ…」と微妙な空気になる
2人が何とも言えずハニカミです。
これって、めちゃくちゃベタな演出なんですけど、そこがいいのよね~。

最初は気が強くて男勝りな泉が、青年期には慎ましやかで女性らしくなる様子は、男の子の成長よりも瑞々しくて気恥ずかしいものがありました。
こう、『ガラスの仮面』で北島マヤが演じた『たけくらべ』の美登利サンみたいというか(分からない方すみません)。
女子の成長は早いのね。

青年期に再会した2人は、思い出のやぐらの上で互いの気持ちがまだ残っている事を確かめ合います。
でも、2人には婚約者がおり、それぞれの立場があり……と、子供の頃とは違いしがらみにまみれているんですよね。
泣く泣く互いを諦める2人の姿に胸が熱くなったり、源太が不憫だったりとこのあたりも泣かせどころですね。

壮年期、源太の結婚した泉でしたが、享保の改革により苦しい生活を強いられます。
鮮やかだった青年期とは打って変わって貧しい着物になり、子供も3人生まれています。
寒い中歩いてきた現太を向える為に湯を張った桶を用意しているシーンが個人的にお気に入り。
「これが御馳走」という泉に、「ご馳走さん」と答える源太。
この一言だけでも、2人が過してきた時間の長さや苦労が伺えるようで良いです。

一揆の相談をする源太達に追い出された(言い方悪い)泉と子供達は、雨の中で再び紀之介と再会します。
甘酸っぱさのあった青年期の会話と違い、どこか枯れた2人の雰囲気が時の流れを感じさせました。

一揆で源太を亡くした泉と、彼を手にかけた張本人である紀之介と再度やぐらで会う泉ですが、その手には以前紀之介から手渡された小太刀が……。
でも、どうしても彼を手にかける事はできずに泣き崩れます。
若干ツッコミどころだったのはここの台詞

「泉は何で、あんたを殺せん!」

何かちょっと韻を踏んでるように聞こえてしまって、真剣なシーンなのに毎度気になっておりました(オイ)。
そう思っていたら、今回指揮を担当した西野サンもTwitterで同じような事をオケの人達と話していたと言っていて、ちょっと安心しました(そこ?)。
何で泉って自分の事名前で呼ぶんでしょうね。
浅倉南方式でしょうか(どんな方式?)。

とはいえ、ここは前述の通り泣きどころでした。
ユウミちゃんは毎回ここで泣いてるんですよね。
特に、最初に観た日と、最後の観劇の日は2人して泣いていて、本当に貰い泣き待ったなしという感じでした。
泉も本当は彼に付いて行きたかっただろうに……家庭を持つとそうはいきませんよね。

ユウミちゃん、ルパンの時のマリーちゃんは子持ちには見えませんでしたが、泉の壮年期はちゃんと母親らしさがありました。
でも、どうしても顔立ちがベビーフェイスというか、幼さがあるので、包容力のある母親だったかというとそこは怪しいような気もします(すみません)。
そもそも、ラストの星祭りの時って皆幾つぐらいなんだろうか……。

ユウミちゃんはちぎちゃんとの相性は勿論ですが、だいもんサンとの夫婦役も良かったです。
毎回熱の入ったお芝居なのも感動的でした。
歌唱も概ね音域が合っていて聴きやすかったですし、高音もキレイに出ていました。


源太●望海風斗サン
最初は、主演2人に気持ちを入れて観ていましたが、2回目以降は源太に泣かされる事が多かったです。

源太は幼い頃から泉が好きな事は明らかですよね。
泉も何だかんだ憎からず思っていた感じでしたが、紀之介の登場で2人の関係が変わります。
よく見ると……いや、よく見るまでもないですが、源太っていっつも泉の事を見ているんですよね。
初見の時以上に、2回目3回目と回数を重ねる毎に、こんなところでも彼女を見つめていたのねとか、恋をする彼女を見守る微妙な表情とか、彼の視線や表情を追うと切なくて泣けてきます。

少年期では、やぐらでよろける泉を支える紀之介との間に恋が芽生えかけているのを感じ取ると割って入ったり、ちょび康が泉が紀之介を好きだと指摘すると割って入ったり、別れ際に小太刀を渡されて泣く彼女の後姿を見つめていたり、ここの流れが特にお邪魔な感じで好きです(笑)。

泉や紀之介に比べて、源太ってイマイチ恋愛には疎いというか、ガキというか、すごく良い子なのに噛ませ犬っぽいのがいいんですよね(褒めてますよ)。
脚本からしてそういう作りだとは思いますが、だいもんサンもその辺りは非常に上手くやっていたなと思います。

青年期には泉との結婚が決まり、非常に嬉しそうな彼。
でも、2人の再会に出くわすと、笑顔を作って泉を紀之介に渡そうとします。
ここの源太の表情と行動が本当に泣かせるんですよね。
どうやったらこんな良い子が育つんだろうか……というか、それだけ彼にとって泉は特別だったって事だと思いますが。
ここまで愛されているんだから、泉は幸せ者ですわ。

壮年期、自分達の暮らしを良くする為に一揆を計画する源太達。
紀之介に再会すると、頭を下げて年貢を下げるよう頼みますが交渉決裂。幼馴染同士、戦う事になってしまいます。

源太って九州男児だし、時代も時代だし、2回も同じ男に土下座するって相当プライドが傷つく行為だと思うんですよね。
でも、それを愛する女性の為、村人の為に迷わずやってのけるって、どれだけできた人間なんだよと創作ながらに思ってしまいました(色々台無し)

ラストの一騎打ちシーン。
太刀筋といい、構えといい、明らかに紀之介に敵わないのに負けずに立ち向かっていく姿が泣かせます。
前述の通り、背中合わせになった時のシルエットが印象的でした。

だいもんサンは星逢祭りシーンのソロシーンが素敵で、やっぱり歌唱力で大分助けてくれているなと思います。
それだけでなく、心優しくてちょっとバカっぽそうな源太を好演しておりました。
役柄的には、主役よりも好かれそうな感じですね。
三角関係の横恋慕役というのはオイシイものですから。2番手らしい良い役が回ってきて良かったなぁと今更ながらに思っております(笑)。

猪飼秋定●彩凪翔サン
幕府天文方筆頭……という肩書ですが、役職はよく判っておりません(そして特に調べない)。
晴興がファーストインプレッションで命を救った相手で、江戸で唯一心を許した友。
役職的には晴興の方が上なので敬語を使いつつも、砕けた関係という感じです。

前回のルパンの五右エ門のように大きな見せ場があるワケではないですが、翔くんのチャーミングな部分が出ていて、個人的には五右エ門よりずっと合っているなと思いました。
星逢祭りのシーンで、大きなおにぎり両手に嬉しそうにしているのがお気に入りのシーンです( ̄∀ ̄)

ただ、声の出し方というか、台詞回しはちょっと課題かなぁと思う部分がありました(すみません)。
件の星逢祭りシーンでの晴興との銀橋での会話がどうにも下手くそというか……。
翔くんは前からそうなんですけど、芝居がかってる割には抑揚や情緒がなくて、予定調和感満載なんですよね(本当にすみません・汗)。
茶目っ気のある役柄は良かったと思うし、ちぎちゃんと並んでもそこまで立場の差がなさそうなところも良かったんですけど、そこはもうちょっと頑張って欲しいかなと思いました。

ちょび康(康吉)●彩風咲奈サン
ルパンの次元とは打って変わって、ガタイがいい割に泣き虫なちょび康。
いやー、あの男らしかった次元はいずこへ(笑)。

幼少期は本当に泣き虫で、氷太にいじめられているところを湧が助けたりと情けない男の子でした。
その泣き虫っぷりが面白くて可愛らしいです( ̄∀ ̄)
でも、紀之介との別れの時に感情を最初に露わにしたのは彼で、笑いつつもウルッとできるシーンに一役買っておりました。

湧と結婚し、子を持つ親になりますが、享保の改革のせいもあり栄養失調で亡くしてしまいます。
あの泣き虫だったちょび康が、一揆を尻込みする空気の中で「俺はやりたい!」と声を上げるシーンは成長が窺えて良かったです。
家庭を持ち、人の親になったからこそ、無謀であっても闘いたいと思うのよね。
しかし、結局一揆の中で命を落としてしまいます(ノД`)・゜・。

主要3人に気持ちを入れて観るのも面白いですが、泣き虫のちょび康が一揆を決意するまでの成長に気持ちを入れて観るのも面白いなと思います。
また面白さが変わってきますな。
彼の死があるから、最後の子供時代のシーンが効いてくるのですよね。

次元の時に随分男っぽくなって驚きましたが、本来はこういう役の方が上手いのだろうなと思います。
役の幅が広がっている事にも改めて驚きです。

貴姫●大湖せしるサン
ちょっと高飛車なツンデレ姫(萌えアニメの登場人物みたいな肩書き)。
吉宗の姪で、後の晴興の奥様。

秋の夜の観月の宴の日、華美に着飾る姫の中、案山子をイメージしたみすぼらしい着物で登場。
みすぼらしいと言っても、肩についたススキ(?)といい、割とハイセンスでした(笑)。
どんな着物を着ていても、せしこはやはり美しかったです( ̄∀ ̄)←エコヒイキ
歩く時の着物の裾の扱い方なんかも素敵だなと思って観ていました。

紀之介の月食の予測時間を待つ間、“案山子の夫婦の連れ舞”と称し2人で踊ります。
女性らしいたおやかな舞というよりかは、力強くて威圧的な舞という感じでした。
実際、威圧(?)しているのでそうなるのは納得ですが、彼女の元男役の良さが出ているなと(そこ?)。
明らかに月食は起こるまいと紀之介の事をバカにした様子でしたが、実際それが起こると「腹を切るのはそなたであろう!」とガチギレしていましたが、お前も謝れよとかちょっとツッコんでしまいました(笑)。

結局、晴興と貴姫は縁組をする事になります。
秋定が「あの人がツンケンする時は惚れている時だ」と言いますが、やはり江戸時代でも所謂ツンデレという概念があるのねと妙に納得してしまいました(そこ?)

貴姫が晴興を本当に好きであろう事は分かりますが、彼女はどこかで彼が本当の意味で自分のものにはならない事を分かっていたように見えました。
具体的な気持ちを口に出す事はありませんでしたが、素直じゃない故に切ないなと思いながら観ていました。


氷太●鳳翔大サン&泰三●蓮城まことサン&湧●透水さらさサン
大ちゃん、体格を生かした(?)ガキ大将系男子( ̄∀ ̄)
ちょび康をいじめたりしていましたけど、基本的にはおバカで力持ちで気は優しい、ブタゴリラタイプのガキ大将でした(笑)。
髪型は往年の世良公則のようで、頭にはヒッピーバンドみたいなものをつけていました(表現が)。
紀之介との別れのシーンでは氷太のやたら気合いの入った泣き声や、間を外した台詞で結構笑いが起きていました。
いつの間にか涼と結婚。それでも基本的におバカっぷりは変わらず、気の良いおじちゃんという感じで最後までクスッとさせてくれました。
ここ最近は真面目な役柄が多かったので新鮮でした。次の『るろうに剣心』の役は佐之助なので、考えてみれば通ずる役柄だったかもしれませんな( ̄∀ ̄)

キング、仲間内の中では一際イケメン感が漂っておりました(笑)。
星逢祭りの時は気づいたら清を口説いていてカッコ良かった。
女性の扱いも手慣れていそうな雰囲気で、満更でもなさそうな清の態度も分かるなと。

ゆきえちゃん、冒頭の幼少期シーンはめちゃくちゃ可愛らしかった。
当時から、後の旦那様になるちょび康の事を気にかけている様子で、2人セットの印象が強いです。
完全に康の事を尻に敷きそうな雰囲気でしたが、子供ができて何となく関係性が変わったみたいですな( ̄∀ ̄)
一揆シーンでは、死んだ康を見て泣き叫びながら走り去るシーンが非常に切なかったです。
子供も旦那様も死んで、1人で生きていくであろう彼女の事を思うと、ラストの星逢祭りのシーンはハッピーエンドっぽい雰囲気だったけど何だか悲しい気持ちになってしまいました(ノД`)・゜・。
歌唱シーンが全然なかったのはちょいと残念。

徳川吉宗●英真なおきサン
雪組に出るのを観るのは初めてですね。
今回はいつも以上に落ち着いたお芝居で、舞台を締めてくれていました。
懐の広さを感じさせる人物で、晴興が彼について行きたいと思ったのはよく分かります。
でも、ちょっと何を考えているか分からないというか、得体の知れなさみたいなものもあって、そこがむしろデキる男なのだろうなと思わせました。

☆その他の方々☆
美和、あおさぎのきゃびこ(早花)は、美和は紀之介のお母様。物静かながら、厳しさと優しさを感じさせる母親ぶりが良かったのと、夜鷹のあおさぎのスレた雰囲気も良かったです。
彼女の言う「お国にとっては正しくても、民衆にとっては正しくない事もある」(台詞相当不確か)というニュアンスの台詞が印象に残りました。それが享保の改革の全てだったのだろうなと。

鈴虫膳右衛門役のがおりん(香綾)は、飄々とした晴興の教育係を好演しておりました。
幼少期の晴興を伸び伸び育てていたのだろうなというのが分かりますな。

汀役のあゆみちゃん(沙月)は、冒頭のちょび康達を叱るシーンの「おばちゃんやない、お姉ちゃん!」の台詞は、ハズレなく毎回笑いをとっていました( ̄∀ ̄)

照興役のあすくんは、晴興のお父様ですが、城に行った時の自信のないボソボソ喋りからの、晴興の空気読まないテンションの発言の流れが笑えました。
あんなにボソボソ喋ってても客席には台詞が聞こえているのは凄い。

細川慶勝役のれいこちゃん(月城)は、ガタイが良いので着物似合いますねぇ。
如何にも嫌み臭い言動が良かったです。案山子の夫婦の連れ舞シーンで横入りしてきますが、その時の舞がなかなか凛々しくてカッコ良かった。

汐太役のひとこちゃん(永久輝)、壮年期シーンで突然出て来たので一体誰だよと思ったら汐太だったのか(駄目)。
そもそも、少年期シーンでも汐太が見つけられなくてどこにいるんだと思っていたぐらいなので……(更に駄目)。
カッコ良く成長しましたね(それだけか)。

あとは、江太役のカリちゃん(煌羽)が星逢祭りのシーンで非常にイケメンでした(笑)。


結局誤魔化しつつになりましたが……こんなところで。

1本物じゃないにも関わらず、観た時の疲労感が凄まじいのですが(※毎回泣くせいで)、何度も言うようにとても良い演目でした。
これ以降も良演目に当たれるといいなぁ。

ショーを入れると字数制限にかかりそうなので分けます。
次回もよろしければお付き合いを。

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