相変わらず時間経ちまくりですが……
来日公演観て参りました~。
“『PIPPIN ピピン』~2015年9月6日(日)公演キャスト【マチネ】” ピピン(Pippin)/ブライアン・フローレス(Brian Flores) リーディング・プレイヤー(Reading Player)/ガブリエル・マクリントン(Gabrielle McClinton) チャールズ(Charles) /ジョン・ルービンスタイン(John Rubinstein) ファストラーダ(Fastrada)/サブリナ・ハーパー(Sabrina Harper) キャサリン(Catherine) /ブラッドリー・ベンジャミン(Bradley Benjamin) バーサ(Berthe) /プリシラ・ロペス(Priscilla Lopez) ルイス(Lewis) /エリック・アルテミス(Erik Altemus) テオ(Theo) /ジェイク・バークマン(Jake Berman) ★その他の皆様★ サッシャ・バックマン(Sascha Bachmann)、ケヴィン・ラングロワ・ブーシェ(Keven Langlois Boucher)、マーク・バレル(Mark Burrell)、マシュー・デグズマン(Mathew deGuzman)、サミー・ディニーン(Sammy Dinneen)、ローラ・ホール(Laura Hall)、ニコラス・ジェモーニ(Nicolas Jelmoni )、アンナ・カチャロヴァ(Anna Kachalova)、アラン・ケリー(Alan Kelly)、シャーロット・オサリバン(Charlotte O'Sullivan )、アンナ・シュナイター(Anna Schnaitter)、ケイティー・スミス(Katie Smith)、マッケンジー・ウォーレン(Mackenzie Warren)、アレーナ・ワッタース(Alena Watters)、ケイト・ウェスラー(Kate Wesler)、ボリス・ヨーク(Borris York)
やって来たのは東急シアターオーブ。
席は3階4列33番。上手通路側。
席は3階4列33番。上手通路側。
ロビーにはトニー賞のトロフィーが。
で、舞台自体は
面白かった!
なかなか哲学的な内容でした。
では、早速レポへ~
後方にあるバルコニーみたいなセットは基本的に常駐。
大きな移動式の階段が二組あり、それが舞台の中を行き来して色んな役割を果たします。
大きな移動式の階段が二組あり、それが舞台の中を行き来して色んな役割を果たします。
元の舞台はブロードウェイミュージカル。
音楽は、『ウィキッド』でお馴染みのスティーブン・シュワルツ。
振り付けは、ボブ・フォッシー。
初演は72年で、その時もトニー賞5部門に輝きましたが、2013年の再演版もトニー賞の最優秀リバイバルミュージカル作品賞に選ばれています。
リバイバルでは、以前は男性が演じていたリーディング・プレーヤーが女性になり、新たなエンディングが追加されています。
今回はそのリバイバル版の上演。
日本でも76年、07年と日本語版が上演されていますが、リーディング・プレーヤーも男性ですしオリジナル版での上演だったのだろうと思います。
なので、リバイバル版が日本で披露されるのはこれが初めてって事ですかね(多分)←駄目
音楽は、『ウィキッド』でお馴染みのスティーブン・シュワルツ。
振り付けは、ボブ・フォッシー。
初演は72年で、その時もトニー賞5部門に輝きましたが、2013年の再演版もトニー賞の最優秀リバイバルミュージカル作品賞に選ばれています。
リバイバルでは、以前は男性が演じていたリーディング・プレーヤーが女性になり、新たなエンディングが追加されています。
今回はそのリバイバル版の上演。
日本でも76年、07年と日本語版が上演されていますが、リーディング・プレーヤーも男性ですしオリジナル版での上演だったのだろうと思います。
なので、リバイバル版が日本で披露されるのはこれが初めてって事ですかね(多分)←駄目
物語は、ざっくり言うと、主人公・ピピンの自分探しの旅(ざっくりしすぎ)。
面白いのは、登場人物達は全員役者という設定で、各々自分の役を演じています。
こう、全編劇中劇というか……。
ミュージカル好きには劇団四季の『夢から醒めた夢』方式とか、『ベガーズ・オペラ』とか言えば判り易いところですかね。
リーディング・プレーヤーは夢醒めで言うところの夢の配達人ですかね。
狂言回しとして、客席と舞台を繋ぐ立場を担っています(Wikiでは、第四の壁を取り払う存在~とか書かれていますね)。
面白いのは、登場人物達は全員役者という設定で、各々自分の役を演じています。
こう、全編劇中劇というか……。
ミュージカル好きには劇団四季の『夢から醒めた夢』方式とか、『ベガーズ・オペラ』とか言えば判り易いところですかね。
リーディング・プレーヤーは夢醒めで言うところの夢の配達人ですかね。
狂言回しとして、客席と舞台を繋ぐ立場を担っています(Wikiでは、第四の壁を取り払う存在~とか書かれていますね)。
自分探しの果てにあるラストは、この手の物語にありがちですが
近くにある何気ない幸せが一番大事。
という結果に落ち着きます。
古くは『青い鳥』を筆頭に、ミュージカルなら『キャンディード』なんかと同じような流れですかね。
ド定番ではありますが、ちゃんと考えさせられる内容となっているのが上手いところ。
古くは『青い鳥』を筆頭に、ミュージカルなら『キャンディード』なんかと同じような流れですかね。
ド定番ではありますが、ちゃんと考えさせられる内容となっているのが上手いところ。
オリジナル版だとピピンが幸せを見つけ、そのエンディングを不服としたリーディング・プレーヤーがセットや衣装を片付けてしまい、素舞台に近い状態の中、それでも尚、多幸感に満ちたピピン達が立ち去る~みたいなエンディングだったのだと思います(実際に観たワケではないので曖昧ですみません)
リバイバル版の追加エンディングでは、ピピンの息子となるシオが舞台に残り、再びリーディング・プレーヤーと役者陣がカムバックして、次はテオが自分探しの旅に出るのだな~と思わせるところで終わります。
リバイバル版の追加エンディングでは、ピピンの息子となるシオが舞台に残り、再びリーディング・プレーヤーと役者陣がカムバックして、次はテオが自分探しの旅に出るのだな~と思わせるところで終わります。
ループっぽいエンディングも近年では定番ではある気がしますが、確かに自分の人生を探すのはピピンだけではないですよね。
この物語に決して終わりはないと思わせる追加ラストは、現代人の好みにも合った良改変だと思います。
哲学的ですな( ̄∀ ̄)
この物語に決して終わりはないと思わせる追加ラストは、現代人の好みにも合った良改変だと思います。
哲学的ですな( ̄∀ ̄)
内容も良かったですが、トニー賞やガラコンで聴いて楽しみにしていたスタンダードナンバーの『Magic to Do』、ピピンのソロ『Corner of the Sky』が聴けたのが嬉しかった。
前者はキャッチーで、後者はスケール感のある良曲です。
前者はキャッチーで、後者はスケール感のある良曲です。
特に『Magic to Do』は幕前から始まり、サビで幕が開いてサーカスシーンが始まるという冒頭に相応しい華やかさも備えたナンバー。
幕が開いた時にカラフルなサーカスシーンが登場した時は感動しました。
人数がそんなに多いワケではないので、壮大な感じではなかったですけども。
幕が開いた時にカラフルなサーカスシーンが登場した時は感動しました。
人数がそんなに多いワケではないので、壮大な感じではなかったですけども。
そして、件の曲芸のレベルは非常に高かった。
アクロバットをする方は範馬勇次郎の鬼の背中かよと言いたくなるほど物凄い筋肉だし(分からない方すみません)、危なげなく技をこなしていて感心。
シルク・ドゥ・ソレイユ系統ですかね。
その他のジャグリング等の芸も素晴らしかった。
アクロバットをする方は範馬勇次郎の鬼の背中かよと言いたくなるほど物凄い筋肉だし(分からない方すみません)、危なげなく技をこなしていて感心。
シルク・ドゥ・ソレイユ系統ですかね。
その他のジャグリング等の芸も素晴らしかった。
ダンスシーンではフォッシーらしいハットとステッキを使った振り付けなどもあり、哲学的な内容と共に、純粋なエンターテインメントとしても楽しめる舞台でした。
日本版もまたやらないかなと密かに期待しておりますが、ネルケならセットも衣装もキャストも(オイ)あまり期待ができないので複雑ですけども(色々すみません)。
では、お次はキャストさん感想へ↓(※敬称略)
かなり軽めに……
かなり軽めに……
服装は基本的に白っぽいグレーっぽいようなシャツとパンツというラフなスタイル。
他の人は割りとかっちりした衣装を着ているので、まだ何にも染まっていない人~というイメージなんですかね。
他の人は割りとかっちりした衣装を着ているので、まだ何にも染まっていない人~というイメージなんですかね。
王位を継ぐ筈の方ですが、ちょっと冴えない見た目と貧弱そうな体型であまりそうは見えず(すみません)。
でも、いざ脱ぐと結構なゴリマッチョ体型でギャップが凄まじかった。着痩せするタイプだったのか!(謎)
でも、いざ脱ぐと結構なゴリマッチョ体型でギャップが凄まじかった。着痩せするタイプだったのか!(謎)
歌も良く、冒頭の『Corner of the Sky』は高音がキレイで◎。
会場も盛り上がっておりました。
会場も盛り上がっておりました。
自分探しの為に色々なチャレンジをしてみる彼。
しかし、カール大帝の横暴な政治に嫌気が差して、父を殺して自分が王になるところでなります。
でも、いざ王になってみると結局横暴な政治になり、劇中劇形式を生かした演出として父親を生き返らせて振り出しに戻します。
ここの展開がかなりあっさりしていてウケました。
しかし、カール大帝の横暴な政治に嫌気が差して、父を殺して自分が王になるところでなります。
でも、いざ王になってみると結局横暴な政治になり、劇中劇形式を生かした演出として父親を生き返らせて振り出しに戻します。
ここの展開がかなりあっさりしていてウケました。
そして、色々やってはみたものの、結局キャサリンという未亡人とその息子の家に身を寄せ、農作業をしたりと平凡な生活を送ります。
しかし、どうにも退屈……。
この辺りの仕事をしない彼が本当にただの怠け者に見えて、ちょっと考えさせられました。
こう
しかし、どうにも退屈……。
この辺りの仕事をしない彼が本当にただの怠け者に見えて、ちょっと考えさせられました。
こう
「オレ、ビッグになる!」とか言って田舎を出て行った世間知らずの若者の末路
みたいな(どんな認識?)。
キャサリンに対しても、ちょっと引き気味の態度だったので感じ悪いような、気持ちが分かるような(笑)という感じでしたが、最終的には前述の通り彼女と息子と平凡な人生を歩む事を選びます。
やっぱり、日々家族と安定した生活ができるというのが理想の暮らしですよね。
いつ、彼女を好きになったかは謎でしたが(余計)、気持ちはとても分かります。
キャサリンに対しても、ちょっと引き気味の態度だったので感じ悪いような、気持ちが分かるような(笑)という感じでしたが、最終的には前述の通り彼女と息子と平凡な人生を歩む事を選びます。
やっぱり、日々家族と安定した生活ができるというのが理想の暮らしですよね。
いつ、彼女を好きになったかは謎でしたが(余計)、気持ちはとても分かります。
ブライアンさんは最初の目的のないピピンから、責任感のある大人として成長したピピンを上手く演じておりました。
リーディング・プレイヤー●ガブリエル・マクリントン&キャサリン●ブラッドリー・ベンジャミン
ガブリエルさん、本当にブロードウェイでも演じていた方なんですね。骨太でスタイル抜群の黒人のキャストさん。黒いピッタリとした衣装がそのボディに似合っていてカッコイイ。声も迫力があって良かった。物語を導く存在として存在感もあります。
私が楽しみにしていた『Magic to Do』は彼女が歌い出しですが、幕の向こうで前後するシルエットが見えた時からがっつりテンションが上がりました。
こちらのシルエット使い(って何?)もキレイ。
この演目の初見としては、オリジナルの男性ヴァージョンのこの役も観たかった気がしますが、フォッシーの振付だと考えると、何となく女性が真ん中の方がしっくりくるような気もします。
件のシルクハットやステッキを使った振付は、彼女がセンターで踊るシーンでしたがこちらもカッコ良くて◎。
劇中で客観的な立場から、物語が思うように運ばずに徐々に感情的な面を見せていくところも面白く感じられます。
ブラッドリーさん、ピピンのお相手役となる未亡人シングルマザー。
演じる人間としては優秀ではないらしく、度々リーディング・プレイヤーに罵られておりました。
ドジっ子な上、ピピンの立場からしたら好かれたら若干ウザイんじゃないかなというタイプに見えて、何となく最初の2人の温度差は納得しどころ(笑)。
ブラッドリーさん自体は、日本で言うところのアニメ声っぽい歌声で可愛らしい。歌も勿論お上手。
でも、ちゃんと若いお母様にも見えます。
リーディング・プレイヤーには呆れられていた彼女ですが、物語の脚本を無視して最初に自分の人生を歩もうとするのはキャサリン。
ピピンと2人、裸一貫(実際に裸ではないですが)で立ち去る姿は穏やかで幸せそうで良かった。
演じる人間としては優秀ではないらしく、度々リーディング・プレイヤーに罵られておりました。
ドジっ子な上、ピピンの立場からしたら好かれたら若干ウザイんじゃないかなというタイプに見えて、何となく最初の2人の温度差は納得しどころ(笑)。
ブラッドリーさん自体は、日本で言うところのアニメ声っぽい歌声で可愛らしい。歌も勿論お上手。
でも、ちゃんと若いお母様にも見えます。
リーディング・プレイヤーには呆れられていた彼女ですが、物語の脚本を無視して最初に自分の人生を歩もうとするのはキャサリン。
ピピンと2人、裸一貫(実際に裸ではないですが)で立ち去る姿は穏やかで幸せそうで良かった。
ファストラーダ●サブリナ・ハーパー&チャールズ●ジョン・ルービンスタイン
サブリナさんは、チャールズの後妻。自分の息子のルイスを王にしたがっていて、ピピンとチャールズを自滅させようと企みます。彼女のソロナンバー『Spread a Little Sunshine』が素晴らしかった!
手品用のBOXのようなものを使い早替えしつつ歌います。
最初は王妃の衣装→BOXの後ろを通過すると一瞬にして赤いドレスに!→もう一回違うドレス?(不確か)→最後はレオタード
と、見事な速さで圧巻。
ダンスもパワフルで、『コーラスライン』のキャシーの『ミュージック・オブ・ザ・ミラー』を彷彿とさせるなぁなんて思っていたんですが、実際演じていたらしいですね。
ラストのイナバウアーっぽい振り付けの反り具合も凄い。
数あるナンバーの中でも、このシーンはかなり印象的でした。
ジョンさんは、ピピンのオリジナルキャストさんだったんですね。
日本で観られるとは光栄な限り( ̄∀ ̄)ピピン役の方が今はジョンをやってると思うと、この演目の歴史の長さを感じますな。
一応、暴君?役なのですが、豪快で憎めないところが◎。
ピピンに殺されますが、劇中劇設定を生かした禁じ手(笑)で生き返ります。
その時もピピンに「もうするなよ」と軽く言っただけであっさり生き返っていて笑えました。
日本で観られるとは光栄な限り( ̄∀ ̄)ピピン役の方が今はジョンをやってると思うと、この演目の歴史の長さを感じますな。
一応、暴君?役なのですが、豪快で憎めないところが◎。
ピピンに殺されますが、劇中劇設定を生かした禁じ手(笑)で生き返ります。
その時もピピンに「もうするなよ」と軽く言っただけであっさり生き返っていて笑えました。
バーサ●プリシラ・ロペス
こちらも素晴らしかった、ピピンのおばあサマ役。ブロードウェイの初演時にはファストラーダを演じていたとか。
それも納得で、彼女のソロナンバー『No Time At All 』では見事なブランコ芸を披露。
空中ブランコで男性アンサンブルさんとくんずほぐれつ(オイ)するんですが、『ライオンキング』の『愛を感じて』の男女の空中ブランコみたいと言うと判りやすいですかね。
身体能力が高くないとできないであろう難易度の高い体勢を軽々とこなしていて感心。
それなりにお年を召していたように見えたのですが、それを感じさせない素晴らしさでした。
ナンバー終了後はショーストップ状態の拍手喝采。
プリシラさん自体も肉食系でカワイイおばあちゃんを好演しておりました。
レポはこんなところで。
今年の数少ない来日公演観劇でしたが、非常に楽しめました。
日本でも、これぐらいのクオリティで公演してくれたら観に行きたいのだけども……(オイ)。
日本でも、これぐらいのクオリティで公演してくれたら観に行きたいのだけども……(オイ)。
では、お付き合い頂いた方がいましたらどうもでした!