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新旧カルチャーの融合~『DNA-SHARAKU』

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去年の今更レポをアップするの巻(駄目)。

こちらももうちょい早くアップする予定だったんですが、急性扁桃炎になって高熱で苦しんだり、「もう殺してくれー!」と言いながら咳込んでいたりしたら(そんなに?)更に遅くなってしまいました……。

まぁ、もう何か今更少し遅くなったぐらいいいんですけどね(諦め)。

こちらはサカケン目当ての演目ですな。

“『DNA-SHARAKU』~2016年1月22日(金)公演キャスト【マチネ】”

柊 健二   /ナオト・インティライミ  伊兵衛   /Spi
結城 連   /小関 裕太        ひょっとこ /大野 幸人
佐山 ハル  /新妻 聖子        おかめ   /Miz
水枝 リドル /坂元 健児        小紫    /朝海 ひかる
白崎 れもん /田野 優花        在人    /中川 晃教
佐山 小鳥  /ミッツ・マングローブ   蔦屋 重三郎/イッセー尾形
斎藤 十郎兵衛/藤岡 正明

サイの声/石橋 祐

★その他の皆様★
三井 聡、安倍 康津、仙名 立宗、高橋 卓士、北村 毅、穴沢 裕介
舞城 のどか、大月 さゆ、徳垣 友子、今枝 珠美、赤澤 かおり、小山 侑紀
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2116年、人工知能が支配する日本。そこでは「創造する心」が否定されていた。
感情の高ぶりは同時に争いも生み出すため、社会を不安定にさせるというのだ。
人工知能の判断に従って、未来政府は日本人の持つ豊かな「創造する心」を根絶やしにするため、タイムトラベルで過去に遡り、危険とみなした人物を捕らえては抹殺を繰り返していた。中でも必死に探していたのは謎の絵師といわれた、東洲斎写楽。
やっきになって写楽を探そうとする未来政府は、二人の青年を追手として選び出す。
2016年に生きる柊健二と2045年に生きる結城連。人工知能に選び出された二人の青年は、自らの「創造する心」と引き換えに「写楽」を探し出すことを命じられる。1793年に送り込まれた二人。しかし幕府の出版統制や文化弾圧と戦いながらも「面白いこと」を追求する江戸の人々と出会い、二人は写楽を守るため、未来政府と戦う決意を固める。
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あらすじは公式からお借り致しました。

やって来たのは新国立劇場 中劇場
席は2階2列22番。2ばっかり(笑)。下手側ですね。

で、公演自体は

まぁまぁでした。

予想よりかは、大分まともな作品でしたが(^^ゞ

では、早速レポへ~


★全体の感想★

セットは移動式の大きなものが4つほどありました。
主に大きな2つは2階建てで箱状になっていて、サイドや中央に配置される事で部屋のような役割を果たしていました。
枠の部分には蛍光灯のようなLED?が仕込まれていて、2116年のシーンではそれが点灯すると硬質で冷たい未来の雰囲気が出て良いです
舞台の両サイドには縦型、上には横型の細いパネルのようなものがあって、そこに映像が映し出される事で様々な役割を果たしていました。
そのパネルを組み合わせて鳥居の形を作ったのは良いアイディアですね。
あとは人工知能サイ。ガラス張りのような多面体で、中で色とりどりのライトが蠢いていて、サイバーな感じでした(どんな?)。
因みに美術は、舞台好きにはお馴染みの松井るみサン

物語は、2116年の人工知能が支配する日本から始まります。
「創造する心」が争いを生み出すと判断した人工知能・サイは、創造する能力=DNA SHARAKUを持つ者を過去から連行し、DNA SHARAKUを抜き取り、創造力を奪っていた。
サイが最もその存在を懸念していたのは、江戸の天才浮世絵師・東洲斎写楽。
誰も正体を知らない写楽を探す人間として選ばれたのは、2人の青年で……という感じ。

映画好き、SF好きな方は

トリュフォー(もしくはブラッドベリ)の『華氏451』じゃん

とツッコんだのではないかと。
どちらかというと、この作品にインスパイアされた『リベリオン』なんかの方が感覚的に近いかもしれません。
最近だと『図書館戦争』が『華氏451』のインスパイアとして有名ですが、こちらもそう思って差し支えない気がします。
実際、意識したかどうかは知りませんが……。

舞台は2116年を中心に、2045年、1793年と時代を行き来します。
2116年は、前述の通りにLEDライトの寒々しい雰囲気。キャスト陣の衣装も真っ白で無駄がありません。
2045年は、人工知能が人間を超えた年。後方に曇天で雨が降りしきる中に佇むビル群の映像が映し出されます。
『ブレードランナー』のヴィジュアルイメージを彷彿とさせました。
既存の近未来作品のいいとこどりしとる気が(コラ)。
1793年は、江戸時代ですがセットが少ないのでシンプルでした。

キャストを観た時は、どんな舞台作る気だよと思っていましたが、まともな作品でした(オイ)。
ただ、何となく散漫に感じる部分もあり、船を漕いだり漕がなかったり……(駄目)。

終盤は人工知能に立ち向かう為に歌ったり踊ったりするんですが(こう言うと一気に下らない感じになってしまいましたが……)、突然ショーみたいになってこれまでの流れだと、それがあまり予測できなかったのでやや面食らいました(すみません。汗)。
多分、作品としてやりたかったのは正にこの終盤の部分だったのではないかなと思うのですよね。
新旧のカルチャーの融合というか、日本の昔ながらの伝統と最新のポップカルチャーを併せる事で新たなものを創造するというか……。
パンフにも似たような事が書いてありましたしね。
最近流行った『ラ・ラ・ランド』の懐古主義ぶりに比べれば(コラコラ)、試みとしては面白かったと思うのですけど。


確かにここの部分は映像を駆使し、非常にオシャレでサイバーに仕上がっていて良かったです。
でも、これで人工知能に訴えかけるって……。
私の心も大して動いていないのに(お前はいいよ)、これで正確で無感情な機械が方向転換するのだろうか……と思うと、志が壮大すぎてイマイチ入り込めない自分がおりました(すみません)。
あの部分だけ切り取れば、出し物としては面白いと思うのですけども。

今回の演出はShow-ismシリーズでお馴染みの小林香サンですが、もうちょっとショーに特化した内容の方が彼女には合っているのではと、最近の作品を観ると感じます。
この作品に関しても、映像や音楽に比重があるように思うので、それこそショーっぽくした方が潔かったような気がします。

キャストは、色々と懸念をしておりましたが、各々合っていて良かったです。
一枚岩だったかと言われると、そこは怪しかったかもしれませんが……。

悪くはないけど、どう観ていいか若干迷う作品でした。

では、お次はキャストさん感想へ↓

柊健二●ナオト・インティライミさん
舞台は初めてだというナオトさんでしたが、なかなか良かったです。
小関くんとW主演という事になっていますが、実質主演は彼だったかと。
何でしょうか、事務所の力関係の問題でしょうか(余計な事を言うな)。

テレビで見るナオトさんはとても明るく社交的で、いつも

(こんな人と友達になりたい……)

と膝を抱えて思っていた私ですが(キモイ)、ある日友人に

「ナオト・インティライミは、めちゃくちゃ明るくて良い奴なんですよ。あなたみたいな根暗な人は友達になれませんよ」

と、納得できない言い切りをされた事が未だに心に引っかかっております(どうでもいいエピソード)

でも、それ以上に彼といえば、30-DELUXサンでも言われていましたが

サカケンに似ている!

というところが、サカケンファンには気になりどころだったりします。
チラシでも同じような表情をしていたので、何か絡みがあるのかな?と少し期待していましたが、大した絡みがなく残念。
名前もケンジなのになぁ(そこ?)。
まぁ、サカケンはメイクをしていたので、絡んだところであまり感動はなかったと思いますが。

ナオトさんはご本人と同じく歌手という設定。
DNA-SHARAKUを見つけ出すのに相応しい人物として、連と共にサイに選ばれ、時を越える事になります。
役自体も明るい兄貴分という感じで、ご本人に合っておりました。
演技の方はどうなのかしら?と思っていましたが、予想以上にちゃんと演じこなしていました(何かすみません)。
ただ、滑舌が少し気になりました。
滑舌というよりか、台詞を腹で支えられていないのか甘く感じられる部分があったので、この辺りは慣れの問題なのかなと思います。

結城連●小関裕太くん
テニスさんですね。背が高く、可愛らしい男の子でした。
2045年の未来を生きる若者で画家志望。
壁に鬼の絵を描いたりと、反体制的な雰囲気の青年。
健二と共にサイに選ばれ、東洲斎写楽を探す旅に出ます。

W主演ですが、どうしても準主役っぽく見えてしまうのは、ナオトさんとは違って本当のアーティストではなかったからですかね。
劇中では、ナオトさんの作ってる歌は使われていますが、絵に関しては彼が本当に描いているワケではないので並ぶと説得力に欠けてしまうというか。それは仕方がないところなんですけどね。
役柄としては、自分の考えを相手に押し付ける系の(どんな系だよ)少年漫画の男主人公にありがちなキャラで、イマイチ気持ちが入りませんでした。私の個人的な問題ですが(そうですね)。
れもんとの関係はちょいとハニカミな感じで良かったです。身長差も◎。

歌唱に関してはどうかな?と思っていましたが、なかなかでした。
ただ、歌い出しで身を乗り出しても、歌詞がゴチャついて聴こえなくなる事があったりしてちょっと気になりました。
メインで歌唱する面子は皆上手いからというのもあるかもしれませんが……。

途中、若干小紫に気持ちが動くのかな?という展開もありましたが、結局れもんとくっつきました(笑)。
めでたしめでたし(何?)


佐山ハル●新妻聖子ちゃん
聖子ちゃんは、一昨年MMSで観ていますが、お芝居で観るのは2014年末に観た『ファースト・デート』以来なので結構久々でした。
ぱっつんのボブヘアーだったので、髪型変えたのかしら?と思いましたが、ヅラだったみたいですね。

2116年の未来を生きる女の子で小鳥の娘。DNA-SHARAKUの保有者ですが、小鳥は彼女からDNA-SHARAKUを奪う事無く育てています。
紙でできた鍵盤を片手にひっそりと歌うシーンが印象的です。

おとなしく純粋な役柄ですが、歌唱力はやはりズバ抜けておりました。
モロにミュージカル発声で歌う女性が聖子ちゃん以外いなかったから余計に耳に馴染みやすかったというか。
ナオトさんとのデュエットも◎でした。
健二の作った『春の歌』が、彼女が歌う事によって『ハルの歌』になるという流れも心憎いですね。


水枝リドル●坂元健児サン
前述の通り、ナオトさんとの共演を楽しみにしていましたが(心なしかチラシも似たような表情で写っている)、メイクが濃かったせいでありがたみ半減でした(笑)。眉毛消え気味( ̄∀ ̄)
近未来的な白い衣装も結構新鮮だったりします。

一応、未来の総裁で黒幕?みたいな役柄ですが、心底悪者という感じではなく、最終的には良い人というオイシイところ。
どっしり若手陣を支えている、サカケンの得意そうな立ち位置ですね。

歌唱は、サカケンの伸びのある声を楽しめるナンバーも用意されていました。
役柄上、激しく歌うようなナンバーはなかったですが、それでも十分客席を持っていってくれました。

ちょっと面白かったのは、ミッツさんを突き飛ばすシーンですかね。
サイズが……(コラ)。


白崎れもん●田野優花ちゃん&佐山小鳥●ミッツ・マングローブさん
優花ちゃん、AKB48の娘ですね。ちょっと二階堂ふみちゃん似です。
連との恋愛がハニカミどころでした( ̄∀ ̄)
歌もパワフルで上手でしたが、小関くん同様に歌詞が聴きとれなくなるところが少し気になりました(すみません・汗)。
ダンスは、アイドルっぽい可愛らしさもありながらキレがあって◎。
過去にタイムスリップした時には、着物にぽんぽんをつけていたりと、衣装も可愛かった。

ミッツさん、名前が見た目と違い過ぎる(黙って)。
ハルのお母様ですが、この大きなお母様のどこからあの小さな娘が……(更に黙って)。
健二が小鳥を見た瞬間、「え、お母さん!?お父さん……」とツッコんでいたのがウケました。
人工子宮で産んだという設定だった筈なので、性別的にはお父さんなんですけども(^^ゞ
お芝居や歌はどんな感じだろう?と思いましたが、包容力があって、ちゃんと母親でした。
歌唱もなかなかお上手。
役柄的に、抑揚のない喋り方をしていただろう事を差し引いても、どうしても、歌唱とお芝居に不慣れさが見え隠れする部分はありました。でも、想像以上に違和感なくこなしていて感心でした。

斎藤十郎兵衛●藤岡正明サン&蔦屋重三郎●イッセー尾形さん
藤岡くんは、能役者役。見た目は武士とか、浮世絵師(どっち?)みたいな感じなんですけど(笑)。
お堅い雰囲気で、藤岡くんの得意そうな役柄。袴姿も似合っておりました。
声量はやっぱり圧倒的で気が遠くなります。

イッセーさんは、舞台で観るのは初めてかな?
ちょっと台詞が籠って聴き取りにくかったりしましたが(すみません)、素のような自然なお芝居が◎。
在人に言う台詞の数々も、人間味と説得力があって良かったです。
サカケンの更に後方から支援という感じの役柄でした。まぁ、版元でプロデューサー役ですからね(そこ?)。

伊兵衛●Spiサン&小紫●朝海ひかるサン
Spiサンは、髪結いの亭主(何か違)。エライイケメンさんがいるなと思ったら彼でした(笑)。
ダンスでしか観た事なかったような気がしますが、歌もお芝居もお上手なんですね。
コムさんとの体格差も◎。

コムさんは、花魁役。さすが和物の雪組出身だけあって、着物の着こなしが美しい。
首筋とか本当にキレイです。高下駄の扱いも上手いですね。
連を相手にした時の大人の女の余裕も良かったし、反対に伊兵衛を前にした時の女性らしいところも◎。
コムさんは歌はアレで(オイ)、踊ってなんぼの人だと思いますが、ショーの部分ではダンスも観られて満足。

ひょっとこ●大野幸人サン&おかめ●Mizサン
大野くんも、ダンサーのイメージが強いですよね。台詞を聴くのは今回初めてだと思います。
ちゃんと上手でした(笑)。
傾奇者で、ちょっとオネエ?っぽく、衣装も女装で新鮮。

Mizサン、めちゃくちゃ久しぶりのMizサン。変わらずパワフルな歌声で◎。
ひょっとことも凸凹コンビで良いですね。
彼が死んだ時の歌唱も泣かせます。

在人●中川晃教くん
パンフは中邑真輔みたいな仕上がりでしたが(笑)、実際は銀髪のロン毛でした。
あっきーがたまにやるプッツン系中二悪役って感じですね。
『SAMURAI7』を思い出しますね。
ダンスというか、剣を持ってくるくる回ったり身軽な動きも見せてくれました。

キャラがキャラだけに、若干引いちゃうようなところもあるんですが、歌声は本当に素晴らしい。
藤岡くん共々、歌い出すと客席をすっかりもっていきます。
いや、サカケンだって負けてないんですけどね、あんまりガンガン系の歌はなかったですから(何のフォロー?)。

在人の名前は最後にかかってきます。"人に在らず"
ここに"在る"という肯定的な意味でなかったのね。
リドルのように改心する役どころではなかったですが、それが逆に切なくて良かったと思います。


相変わらず、後半は投げやりになっとりますがこんなところで。

アイディアは良かったんですけど、色々と戸惑うところが多い作品ではありましたかね。
映像にお金をかけた(多分)分、衣装とかセットとかがややショボめだったのもちょっと残念な気がしました。

では、お付き合い頂いた方はどうもでした!

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